 |
| ご馳走大合奏 Vol.17: 絶品カウンターフレンチ |
ここしばらく、仕事場にこもっての作業が続いておりました。当然ながら毎日「家ご飯」でありまして、正直変化が欲しいなあと思い始めていたのです。そんな折、うまいタイミングで打ち合わせ&取材が発生しまして、ずっと行きたかったこのお店に突撃することにしました〜。ラッキー!「ランチタイム1人で」と、バッチリ予約を入れたし、準備も万端であります。
食事前に入っていた打ち合わせもスムーズに終わり、新しい案件をサササッとゲット。いやあ、いいぞ〜。今日の流れはいいぞ〜。この分なら、お昼ごはんもかなりいい感じのはずです。期待に胸を膨らませ(ついでにお腹も鳴らして)、開店と同時にお店に飛び込みました。
「いらっしゃいませ」。すかさずマダムの優しい挨拶があり、席に案内されます。僕が今回座ったのは、カウンターの一番奥の席。厨房と店内が一望できる、特等席であります。 |
 |
| SASAO(ササオ) |
 |
営業時間: 11:30〜14:00 18:00〜21:00
TEL:03-3868-9101 |
|
こちらSASAOさん、完全なるオープンキッチンなんです(東京カレンダー参照)。お寿司屋さんみたいにカウンターがあって、すぐ目の前でシェフ達の仕事が見えるのね。うわ〜、楽しい!こんなフレンチレストランは初めて。息もつかせず動き回るシェフたちが生む、リズムと呼吸の気持ちよさといったらありません。思わずポケ〜っと見とれていたら、「栗原様?」と、マダムがメニューを持って待っていてくれました(笑)。
ランチコースは2500円、4500円の2種類。基本はプリフィクスで、6〜7種類あるお皿の中から、前菜とメインを1つづつ選ぶことができます(お皿によってはプラス料金がかかる)。4500円の方は、それに「本日のお魚料理」がつくというシステムです。数分ほど悩んで、2500円のコースにグラスでワインを頼むことに決めました。
まず最初にきたのは食前酒。香りを大きく包み込むような丸いグラスでサーブされたのは、シャトー・トゥールの白です。さわやかな酸味で気分がリフレッシュします。さあ、食べますよ〜!
前菜は「にんじんのムース コンソメジュレと生うに添え」ね。オーナーシェフの笹尾さんは、野菜を使った料理がお得意なんだとか。他にもね、「牡蠣のリゾット」とか、スペシャリテの「フォアグラのソテー」とか、めっちゃひかれたお皿があったのですよ。でも、まっ、初回ですから、とりあえず!なんて思って頼んだら、いや〜、なにこれ、大正解。ブラボー!にんじんの優しい甘味と、ウニ、コンソメジュレの丸い塩気が、絶妙のバランスです。ふ〜、なんかホッとするなあ。身体の中がスーっと掃除されていくような、すがすがしい味です。ああ、美味しい。ワシワシと食べてたら、すぐなくなっちゃいましたよ。う”〜、もっとこれ食べたいっす(笑)。
続いて出てきたのはメインディッシュ、「もち豚のカシス煮込み サラダ添え」です。まずはカシスソースを小指でペロリ。だはははは、うんま〜。爆発です。口の中で小爆発であります。やっばいこれ!とか思いつつ、焦りながらやわらか〜いもち豚を1口分切り取り、目を閉じて口の中にポイッ。あは、あはは、あはははは、ドカーン!!大爆発。これ、だめ、美味しすぎ。ミートイーター秒殺必死ですね、ええ。酸味、甘味ともにパワフルなカシスソースを、もち豚様は軽々と受け止めていらっしゃいます。お肉自体の旨みも濃いのね。すごいや、これ。合間にフレッシュハーブのサラダで味に変化をつけると、また、いいんだ、これが。たまりません、止まりません。
でね、僕、にんじんの前菜食べながら、「やっぱフォアグラ食べたかったなあ」ってすっごい未練タラリングだったわけですよ。このハイレベルもち豚様をいただいたら、「ウマウマと予想されるフォアをやっつけておくべきだったんじゃないか?」って、さらに思っちゃったわけなんですよ。そしたら、そしたら・・・。じゃあ〜ん。なんと、もち豚様の上に、フォアグラ様が鎮座ましましていらっしゃいましたあ!このシブレットとタマネギがかかってるやつ。これ、フォアグラ様ね。ウマウマね、ウマウマ。なんだ、この心憎い演出。落ちました。僕、完璧にSASAOさんの虜であります。もう、どうにでもしてくださ〜い。
しかしながら、残念なことが1つ。濃く、そしてウマいこのもち豚様&フォアグラ様は、若くさわやかなシャトー・トゥールくんではとてもとても太刀打できる相手ではなかったのでありました。さすがに平日ランチのショートコースでワイン2杯も3杯も飲めないのでガマンしましたが、今度は是非、同じぐらいのパワー&ボディのワインで勝負したいと思います。待ってろよ、もち豚様&フォアグラ様!
デザートは「チョコレートのババロア ピスタチオのアイスのせ」でした。
最後も手堅くまとめて、はい、大満足。ホントに幸せなランチタイムでありました。
ちなみに、食事しながら読んでいたのは、「共感覚者の驚くべき日常」という本です。その1節に、味に形を感じる共感覚者マイケルが、フランス料理について話している場面がでてきます。ちょっと長いですが引用しますね。
『形も味の変化にしたがって変わるんだよ。フランス料理が好きなのは、形が驚くほどいろいろに変化するからなんだ。フランス料理の複雑な味をあじわうときは、口のなかのいろんな場所で何層にも重なった味を感じるが、真っ先に感じるのはいつも甘さだ。甘さは最初、舌の上に平らにあらわれて、それから三次元になる。その動きがすばらしい』
お料理をいただきながらここを読んだ時、そうそう!って大きく頷いちゃいました。僕は共感覚者ではないので、味をしっかりとした形で感じるわけではないです。でも、味に色がついたり、薄く広がったり、尖ったり、話し掛けてきたりします。今日のお皿達は、どれもこれも饒舌。よくしゃべるの(笑)。でも、複雑なんだけど、理路整然としてるっていうか、くどくどしてないから、もっと話して!って言いたくなっちゃうんだなあ。えっと、何が言いたいのかというと、それくらい美味しかったということであります。
もう1度行きたいと思えるお店が、また1つ増えて、とっても嬉しいです。今度はいつ突撃しようかな・・・。というわけで、長くなりましたが、今回のルポ、終わりです。 |
 |
|
 |
|
 |