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2006〜2007年
記号の話
現代思想の話
   
ここでは、言語学、記号論、構造主義、認知心理学っぽい話を書こうと思います。えい、や〜っとかなり荒っぽくやりますので、えっと、参考程度に読んでいただけると嬉しいです。というわけで、第6回目、いってみましょう!

■Vol.6:「ことば(言語)」によるコミュニケーションの実態
さて次に、「実体を表しているわけでもなく、ましてやいい加減に区切られた“ことば”を使って、どうしてコミュニケーションがとれるのか?」ということを考えてみましょう。
情報を伝えることでコミュニケーションがとれるということは、お互いを理解し、分かりあうことです。「理解する」「分かり合う」の仕組みとは、いったいどういうことなんでしょうか?

藤子不二雄さんの漫画「パーマン」に出てくるコピーロボットをご存じですか?主人公のみつ夫くんがパーマンになって活躍している間、このロボットは彼の代わりをしてくれています。学校へ行ったり、友達と遊んだり、ご飯食べたりなんていう具合です。パーマンとしての任務を終えて帰ってくると、みつ夫くんは額と額をくっつけることでコピーロボットの記憶を全て読み取ることができます。

残念ながら、僕らの「ことば(言語)」によるコミュニケーションは、みつ夫くんとコピーロボットのそれとはかなり違っています。みつ夫くんがコピーロボットと行っているコミュニケーションは、文字通りまさにコピーしているのと同じくとても直接的かつ完璧で、誤解が生じる隙がありません。それに比べ僕ら人間のコミュニケーションは「ことば(言語)」を媒介とした間接的なものなので、不完全だし誤解や誤伝ばかりがおこります。

Webサイトデザインの打ち合わせをしていて、「栗原さん、ここは明るめの赤でお願いします」なんていう注文をクライアントさんからよくうけますが、厳密に言うならクライアントさんが頭の中で思い描いている「明るめの赤」ってどんな色だか僕にはわかりません。だから、僕が「明るめの赤」だと思っている色を使ってデザインしたサイトサンプルを持っていくと、「栗原さん、明るい赤って言ったじゃないですか〜!」ってクレームをいただくことになります(涙)。「解釈の違い」なんてことを言いますが、それは「ことば」の意味する範囲(区切り)が人それぞれ違うからこそ起きるミスコミュニケーションなんですね。

にもかかわらず僕らが「理解しあえた」とか「分かり合えた」って思っちゃうのはどういうわけかというと、「単語は一つのものだけを指し示している」っていうびっくりするほど単純な思い込みで支えられているからなんです。というよりも、「私達の使っている“ことば”の意味って全く同じだよね!」という個人個人の勝手な思い込みのみによって支えられていると言った方いいですかね。そんな個人の思い込みが集まった僕らの言語システム内には、「ことば」が通じるという錯覚や、「単語は一つのものだけを指し示している」という誤解を成り立たたせる程度のゆるい枠組みが存在しているんです。

言語システムの持つこの「ゆるい枠組み」、実は人間の記憶システムとも密接な関係があります。最後にこの2つを組み合わせて、言語コミュニケーションの「伝わる」の仕組みを解明しちゃいましょう(つづく)。
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