ここでは、言語学、記号論、構造主義、認知心理学っぽい話を書こうと思います。えい、や〜っとかなり荒っぽくやりますので、えっと、参考程度に読んでいただけると嬉しいです。というわけで、第7回目、いってみましょう!
■Vol.7:「ことば(言語)」によるコミュニケーションの実態
人間の記憶には、大まかに分けて「一次記憶」と「二次記憶」の二種類あります。それぞれ役割がありますので、簡単に説明してゆきましょう。
まず「一次記憶」。別名「短期記憶」とも言われ、外界から取り入れた情報を比較的短期間だけ記憶することができ、その容量も小さいです。コンピュータでいうところのフロッピーディスクみたいなものだとお考えください。
そして「二次記憶」。「意味記憶」とも呼ばれるこの記憶は、「一次記憶」と違って記憶時間も容量もずっと膨大です。きちっと情報を整理することのできるこの記憶はハードディスクのようなものかな。
情報が「伝わる」ためには、「一次記憶」と「二次記憶」の関係がとても重要になります。
下着や靴下やTシャツなどが一緒くたに詰め込まれたタンスの引出しよりも、きちっと分類して整理された引出しの方が中身を取り出す手間と時間をずっと省けます。「二次記憶」はきちっと整理されたタンスの引き出しと同じ様に、情報をタイプ別に分け格納しています。
新しく買ってきた靴下は「靴下用」の引き出しにしまいます。それと一緒で、新しい情報に出会うと脳はまず「一次記憶」で情報を分析した後、「二次記憶」内にある整理・分類されたタイプという枠組みの中から、その情報と似た種類(意味と言ってもいいですね)を見つけ出します。そして、新しい情報はその枠組みの中に組み込まれる、と。そして「二次記憶」の中で情報を整理・分類する時に使う基準が、言語システムの持つ「ゆるい枠組み」というわけなんです。
Vol.3で出てきた星座で再び考えてみましょう。星座という星の区切り方のシステムを知っている人なら、比較的簡単に星の並びや数を記憶することができます。なぜかというと、「二次記憶」内にきちんと星座を分けるタイプの枠組みが存在するからです。一方、星座の仕組みを知らない人にとっては、単純に星の位置や数をコピーするように記憶するのは、なかなか難しい注文です。「星の並び・数」という情報を整理・分類する基準をもっていないからというのが理由です。
もうおわかりですよね。ある新しい情報が脳の「一次記憶」で分析され、「二次記憶」内にあるタイプ別に分けられた枠組みの中に取り入れられた時が、情報が伝わる瞬間なんです。逆を言うなら、「二次記憶」の中に分類できず、「一次記憶」にとりあえず放っておかれる情報は、伝わっていない、理解してもらえない情報だというわけです。
コミュニケーションをとっている相手がどんな風に「モノ」を区切っているかを探ることで、伝えたい情報を的確で伝えやすい形へ変化させることができます。自分の思っていることを伝えたいと望むのなら、相手が世界をどうやって線引きしているのか考えることが大切なんですね〜。
「私の言っていること(つまりは私のモノの区切り方)は、この人には伝わらないかもしれない(つまりはこの人のモノの区切り方とは違うかもしれない)」
こんな
心構えをもっていれば、ミスコミュニケーションが起こったとしても、さほどびっくりしないで対処することができちゃうのです。
「ことば(言語)」の仕組み。「ことば(言語)」によるコミュニケーションの仕組み。情報が伝わる仕組み。なんとなくおわかりいただけましたか?なんだかよくわからないという方もいらっしゃると思いますが、とりあえず、
・僕らが依存している「ことば(言語)」は、かなりいい加減だ。
・そんないい加減な「ことば(言語)」によるコミュニケーションは当然破綻しやすい。
ということだけは憶えておいてくださいね。
といった感じで、とりあえずここで記号の話は一区切りしま〜す。
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