Vol.1:カール・マルクスさん
働くことで、自分が生まれ、自分を知るんだぜ
さて、第1回目ということで、まずはマルクスさんからつまみ食いさせていただきましょう。はっきり申し上げまして、僕、今まであまりマルクスさんに興味がありませんでした。なので、トンチンカンなことを書いてしまうかもしれませんが、それはそれ、あくまでもつまみぐい企画なので大目に見ていただけましたら、はい、嬉しいです。
■マルクスさんの画期的さ
では本題に入ります。それまでの思想家や哲学家と違って、マルクスさんが画期的な点。それは“行動”を重視したということです。ただ椅子に座って、「本当の私ってなんだろう?」とか「なんで人を殺しちゃ駄目なのさ?」とかいう哲学的な問題を頭で考えてるだけ。それがマルクスさん以前にいた大部分の思想家でした。でも、ただ考えているだけでは、社会は何にも変わらないですよね。それじゃあちょっとまずいだろうと思い、日常生活を実際にどう生きたらいいかってことをトコトン考え、更にそれを自身で体現しようと頑張ったのが、マルクスさんです。
■普遍的な人間性なんてない
マルクスさん以前の伝統的な人間観とは、「人間の中心には普遍的な人間性がある」というものでした。これはどういうことかというと、人間には、どんな状況においても、何歳になっても、性別が違っても、時代や国が移ったとしても、絶対に変わらない何かが人間にはあるんだという見方です。
しかし、マルクスさんはこの人間観に「おかしくない?」と異議を唱えます。普遍的な人間性なんてものはない。もしあったとしても、そんなのは「何にもしなくたって僕は僕なんだからいいでしょ?」という言い訳にしか使えない、と言うのです。
彼がそう考えた理由に大きく関係しているのが“階級”です。ブルジョア(資本家階級、お金持ち)とプロレタリア(労働者階級、庶民)っていう“階級”の違いは、モノの見方とか考え方、生活、人間観、人生すべてを、それはもう根こそぎ変えてしまう。ってことは、人間にとって普遍的な何かなんてあるわけないじゃあねえかというのが彼の考え方なんですね(ちなみに、人間の歴史は異なった“階級”同士の争いによって作られたとも、マルクスさんは言ってます)。
■働くことによって、自分は確立される
そこでマルクスさんが重要視したものは何んなのかというと、それは“労働”です。つまり、人間として存在してるってだけじゃなく、人間として行動し、働き、何かを作りだすことの方が重要なんだぜと主張します。更に、人間が働いて作り出した成果物(意味や価値)だけが、その人がどんな人間かってことを物語るんだ、と続けます。
要するにこういうことだと思います。働くためには、社会の中で他人と関係を持つ必要があります。そして、その関係の中で色んなものが生産されます。
僕の場合だったら、取引先の方達との関わり合いの中で、WEBサイトを作ったり、書籍を執筆したり、レシピを考えたりしていくことで、どんどんと実績が増えていきます。やがて、それらの実績は、僕という人間が何をできるのかを伝える、名刺代わりとなってゆきます。
何も実績がない状態で「僕はWEBサイトをデザインできます!」と売り込んだところで、本当にできるかどうかを証明することはできません。しかし、実績が増えていくことで、僕がWEBサイトをデザインできるという事実までもが生まれてくるのです。
■労働=生産したものを客観視すれば、自分が見えてくる
普遍的に変わらない“自分”という“存在”がまずあって、それが他人と関係を持つことでは、“自分”が確立されることはない。そうマルクスさんは言います。生産社会というネットワークの中で営む仕事という“行動”によってのみ、そして、“行動”した結果を踏まえた上でだけ、“自分”は初めて確立することができるというわけなんですね。
マルクスさんの言葉に「人間は彼によって想像された世界の中で自己自身を直観する」というのがあります。これは、「自分が社会の中で働いて生み出した成果物や実績を、客観的に分析できた時にだけ、自分がどんなやつかってことがわかるんだぜ」という意味なのでした。
■あとがき
「労働するものだけが、『私』ということばを口にすることができる」と、マルクスさんはおっしゃいます。年がら年中、遊ぶこと、怠けること、美味しいものを食べることばかり考えている僕(そのくせ、「僕が!」「僕が!」と自己主張だけは一丁前だったりする)には、非常に耳が痛いお言葉であります。もっと働こう・・・。
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